本の虫ログ

夏目漱石〜村上春樹まで、独断と偏見、そして風評によって文学を紹介しています。※実物と価格、画像が異なる場合がありますが、ご了承ください。※


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◎作品の書評、批評、論点、背景は↓へ◎
タイトル:『文鳥』
著者:夏目漱石
出版社:新潮文庫
値段:400円(税別)

あらすじ
人に進められて飼い始めた可憐な文鳥が家人のちょっとした不注意からあっけなく死んでしまうまでを淡々とした筆致で描き、著者の孤独な心持をにじました名作『文鳥』。
(コピペ)

  【知名度】☆
【読みやすさ】☆☆☆
 【内容の質】☆☆
【総合得点】38点点(100点満点中)
※見方:☆☆☆☆☆-極上。☆☆☆☆-すばらしい。☆☆☆-普通。☆☆-そんなに。☆-最低。
  
ひと言
センター試験や大学の二次試験に出るなど、有名な作品である。作中の「文鳥」と重ねあわされた女性像が印象深い。漱石の晩年の作品と比べれば、叙述が貧弱である。だが、漱石の新しい一面は十分にこの作品から読み取れるのではなかろうか。(⇒ほかの作品の記事を参照
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拳(こぶし)を籠(かご)から引き出して、握った手を開けると、文鳥は静かに掌(てのひら)の上にある。自分は手を開けたまま、しばらく死んだ鳥を見詰めていた。それから、そっと座布団の上に卸した。そうして烈しく(はげしく)手を鳴らした。
(『文鳥』より)

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タイトル:『竜』(「芥川龍之介全集3」所収)
著者:芥川龍之介
出版社:ちくま文庫
値段:840円(税別)

あらすじ
鼻蔵という和尚が、偉そうな他の和尚をだましてやろうと思い、こんな立て札を寺の池に立てた。「三月三日この池より竜昇らんずるなり」これを見た村人たちが驚き、うわさがうわさを呼んで隣の国にまで響くようになっていく。ついには、公家などもその竜を見てやろうと、この池に集まってきてしまう。はたして竜は現れるのか・・。

  【知名度】☆☆
【読みやすさ】☆☆
 【内容の質】☆☆☆
【総合得点】75点(100点満点中)
※見方:☆☆☆☆☆-極上。☆☆☆☆-すばらしい。☆☆☆-普通。☆☆-そんなに。☆-最低。
  
ひと言
鼻蔵という和尚がいたずらで書いた「三月三日この池より竜昇らんずるなり」という立て札が、とんでもない大騒動になってしまう、この話。公家やら村人やらの大群衆の中にまじって、池を見つめていると、鼻蔵でさえ「本当に竜が現れるんじゃないか。」とさえ思ってしまう。そういう集団ヒステリーにも似た群集の心理。自己暗示とかそういう催眠状態になってしまう人間像が見事に描かれている。
この物語は、有名な『鼻』よりも後に発表された作品である。物語の最後を読むと、『鼻』を読んだことのある人は、思わずニヤっとしてしまう。
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が、ここに妙な事が起こったと申しますのは、どうい云うものか、恵印(鼻蔵)の心にもほんとうに竜が昇りそうな―それも始はどちらかと申すと、昇らないこともなさそうな気がし出したのでございます。
(『竜』より)

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テーマ:オススメ本 - ジャンル:小説・文学
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タイトル:『人間失格』
著者:太宰治
出版社:新潮文庫
値段:286円(税別)

あらすじ
後半が自殺以後に発表された、太宰文学の総決算ともいうべき作品。生きる能力を失い、なりゆきに任せ、廃人同様に生きる男の手記・・・それはこの世を去るに際してこれまで胸底にひた隠しに隠していた自分の正体を書き残した陰惨な自画像ともいうべきものである。
「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎてゆきます。」
(コピペ)

  【知名度】☆☆☆☆☆
【読みやすさ】☆☆
 【内容の質】☆☆☆
【総合得点】70点(100点満点中)
※見方:☆☆☆☆☆-極上。☆☆☆☆-すばらしい。☆☆☆-普通。☆☆-そんなに。☆-最低。
  
ひと言
太宰治の晩年の作品。太宰の代表作であり、『走れメロス』『斜陽』と並んで有名である。(⇒ほかの太宰治の作品記事を参照
ちなみに堂本光一が主演したドラマ『人間失格』とは、内容的に何の関係もない。

大庭葉蔵を主人公として、展開するこの作品。「こいつよりも俺はまともな人生を送っている」と多くの一般読者に思わせる点で、いまだに読みつがれている作品ではある。
自伝的な作品であると評価され、そこにひそむダダイズムも論点の一つであるものの、この作品はあくまで小説である点を考慮にいれる必要があろう。
また、作中の「はしがき」と「あとがき」に見られる、作中の「私」と一歩おいた人間の存在も無視できない。
このような主人公の大庭葉蔵と離れた他者を物語りに盛り込むことによって、大庭葉蔵自身を客観的に見る目を意識せざるをえないだろう。
単なるダダイズムではなく、むしろそれさえも「道化」であるという哀しさを描いた作品ではあるまいか。
余談だが、彼は一度自殺未遂したあと、玉川上水で自殺した。
いまでも東京には、玉川上水駅というのが存在している。
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人間失格改版
人間、失格。もはや、自分は、完全に、人間ではなくなりました。
(『人間失格』より)

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タイトル:『地獄変』
著者:芥川龍之介
出版社:新潮文庫
値段:362円(税別)

あらすじ
“王朝もの”の第二集。芸術と道徳の相剋・矛盾という芥川のもっとも切実な問題を、「宇治拾遺物語」中の絵師良秀をモデルに追及し、古金襴にも似た典雅な色彩と線、迫力ある筆で描いた『地獄変』は、芥川の一代表作である。
(コピペ)

  【知名度】☆☆☆☆
【読みやすさ】☆☆
 【内容の質】☆☆☆☆
【総合得点】77点(100点満点中)
※見方:☆☆☆☆☆-極上。☆☆☆☆-すばらしい。☆☆☆-普通。☆☆-そんなに。☆-最低。
  
ひと言
芥川中期の作品。宇治拾遺物語中に収められた物語をモチーフにしている。この『地獄変』では、生活と芸術を切り離すという芸術至上主義が打ち出されているといわれる。
地獄の絵を描けと命じられ、あらゆるものを犠牲にして描こうとする絵師良秀。自らが寵愛する娘が炎に焼かれていくところを見つめながら、ついに良秀は絵を完成させるのである。そこに至るまでの、良秀の心の動き。彼を取り巻く殿上人たちの思惑。語り手の目を通して描かれる人間の陰影。また、芥川作品ではよくあることだが、物語の中核となる事件の原因、犯人、真相などが曖昧なまま終わる点が、読む人を物語に引き込み、読後に考え込んでしまう点が面白い。
古語や宮中用語が多く、脚注を読まなければならないので、読みやすいとはいえないが、内容の質はさすがに芥川である。(⇒ほかの芥川作品の記事を参照
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地獄変の屏風と申しますと、私はもうあの恐ろしい画面の景色が、ありありと目の前へ浮かんで来るような気が致します。同じ地獄変と申しましても、良秀の描きましたのは、他の絵師と比べますと、第一図取りから似ておりません。それは一帖の屏風の片隅へ、小さく十王を始め眷族たちの姿を描いて、あとは一面に紅蓮大紅蓮の猛火が剣山刀樹も爛れるかと思う程渦を巻いておりました。
(『地獄変』より)

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